2020.11.15

「村上春樹ライブラリー」が早稲田大学内に10月に開館へ。建築設計は隈研吾

早稲田大学は2021年10月、早稲田キャンパス内に早稲田大学国際文学館「村上春樹ライブラリー」を開館させる。建築の設計は隈研吾が手がける。

早稲田大学国際文学館(村上春樹ライブラリー)内観 提供=隈研吾建築都市設計事務所
前へ
次へ

 2021年10月、他に類を見ない文学館が早稲田大学の早稲田キャンパス内に誕生する。

 早稲田大学国際文学館「村上春樹ライブラリー」は、同校の校友である村上春樹が寄託・寄贈した小説作品の直筆原稿、執筆関係資料、書簡、インタビュー記事、作品の書評、海外で翻訳された書籍、蒐集した数万枚のレコード等を保管・公開する施設。組織自体は2019年6月に設立されており、来秋の開館に向けて準備が進められている。世界中の村上文学の愛好者や国際文学の研究者たちにとって、新たな「村上春樹文学」「国際文学」「翻訳文学」の研究だけでなく、多様な芸術分野と文学の交流の場になりそうだ。

 「村上春樹ライブラリー」の設計を担うのは隈研吾。早稲田キャンパスの坪内博士演劇博物館に隣接する4号館を大規模に改築し、村上文学の研究・交流・発信機能を備えた新たな拠点として生まれ変わる。館内には、研究者のための資料室や閲覧席、セミナースペースのほか、カフェやオーディオスペース等も計画されているという。

早稲田大学国際文学館(村上春樹ライブラリー)外観 提供=隈研吾建築都市設計事務所

 なお、この改築にあたっては株式会社ファーストリテイリング代表取締役会長兼社長の柳井正が、約12億円という費用の全額を寄附した。

 すでに演劇博物館や會津八一記念博物館などを有する早稲田大学。村上春樹ライブラリーの誕生によって、ますます多くの人々に開かれた存在となるだろう。