今年5月25日に傘寿(80歳)を迎えた写真家・荒木経惟。その人生を、写真と文章で振り返る書籍『荒木経惟、写真に生きる。』が青幻舎より刊行された。
アラーキーの愛称で知られる荒木経惟は、1940年5月25日生まれ。千葉大学工学部写真印刷工学科写真映画専攻卒業後、63年から72年まで株式会社電通に勤務し、広告写真を撮る傍ら、終業後のスタジオで自身のスタイルを模索した。65年には初個展となる「さっちんとマー坊」を新宿ステーションビルで開催。以降、都市、人、ヌード、花、空、静物といった被写体を平等なまなざしで撮影し、それらに内在する生と死を生々しくとらえてきた。
本書は、荒木が60年のあいだに撮りためてきた写真の数々を文章で綴った12の章で構成。妻・陽子や女優・樹木希林、写真家・森山大道、アーティスト・草間彌生など、様々な人々との出会いを荒木自身の言葉で振り返る。
なお本書には撮り下ろし写真31枚も収録。また巻末には80年間の人生を記録した詳細はドキュメントが収録されており、荒木の写真人生をたどる貴重な資料でもある。