荒木経惟が独立前に手がけた全26冊のスクラップブックが写真集に。知られざるアラーキーの原点とは?

写真家・荒木経惟が、フリーになる1964年から71年にかけての間、「月光荘」のスケッチブックに個人的な習作として撮り溜め、自らレイアウトしたというスクラップブック全26冊が倉庫から突然発見された。これらは「月光写真」と題され、1冊の写真集となった。これまでほとんど発表されることのなかったアラーキーの原点とは何か?

荒木経惟『月光写真』(2019)

 荒木経惟は1940年東京都生まれの写真家。千葉大学工学部写真印刷工学科写真映画専攻を卒業後、63年から72年まで株式会社電通に勤務。デビュー作《さっちん》(1964)で、第1回太陽賞を受賞した。

 今回、荒木が電通を退社してフリーになるまでの64年から71年にかけて、「月光荘」のスケッチブックに個人的な習作として撮り溜め、自らレイアウトしたというスクラップブック全26冊が倉庫から突然発見された。

 「アラーキー」の生成を紐解くうえで欠けていたこれらのピースは「月光写真」と名付けられ、1冊の写真集となった。本書を通じて、これまではあまり発表されることのなかった荒木の原点を知ることができるだろう。

荒木のスクラッチブック
荒木のスクラッチブック

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