2019年、日本では10年ぶりとなる大規模個展「光をめざす旅」(金沢21世紀美術館)を開催した画家・大岩オスカールが、コロナ禍の生活を描いたモノクロ作品を自身のウェブサイトで発表した。
大岩オスカールは1965年ブラジル生まれ。89年にサンパウロ大学建築都市学部を卒業したのち、91年に来日。約10年の滞在を経て、2002年からはニューヨークを拠点に活動を行っている。
今回、大岩が描いたのは、大阪の通天閣やニューヨークのタイムズスクエア、セントラルパーク、あるいは自室の机や昭和の風景など15点。
それぞれの作品には日英でキャプションが記載されており、「3月末には大阪で展覧会の打ち合わせをするはずだった」(《大阪通天閣》)、「今は人っ子一人いないし、全てはクローズ」(《タイムズスクエア》)、「この小さいテーブルが私の生活の中心となった」(《私の机、ニューヨーク》)など、ロックダウンが続くニューヨークでの生活の様子が伝えられている。
大岩はこのサイトで進行中のプロジェクトや展覧会がすべて延期となったことを明らかにしつつ、トランプ大統領のコロナ施策を痛烈に批判。
「普段どおりのクリエイティブマインドでいられるために何ができるか」を考え、一連のモノクロ作品を公開したと綴っている。