NEWS / HEADLINE - 2020.5.5

オンラインで世界の演劇を堪能しよう。「くものうえ⇅せかい演劇祭」がキリル・セレブレンニコフ監督作品『The Student』を独占配信

新型コロナウイルス感染拡大予防のため中止となった静岡の「ふじのくに⇄せかい演劇祭 2020」。この代替策として、4月25日よりオンライン企画「くものうえ⇅せかい演劇祭」が配信されている。本企画では、ロシア人演出家で映画監督のキリル・セレブレンニコフによる長編映画『The Student』を日本初公開。世界各地の国際映画祭で話題をさらった本作に注目だ。配信は5月5日〜6日。

(C)Ira_Polyarnaya

 ロシア人演出家で映画監督のキリル・セレブレンニコフによる、早世の写真家レン・ハンを題材とした舞台作品『OUTSIDE - レン・ハンの詩に基づく』。本作は「ふじのくに⇄せかい演劇祭 2020」で日本初上演される予定だったが、新型コロナウイルス感染拡大予防のため、演劇祭自体が中止となった。

 そんななか、本演劇祭の主宰であるSPAC(Shizuoka Performing Arts Center)が、4月25日より代替策としてオンライン企画「くものうえ⇅せかい演劇祭」の配信をスタートさせた。演劇作品のため映像配信がかなわなかった『OUTSIDE』の代わりに、セレブレンニコフによる長編映画『The Student』(2016)も配信されるという。配信日時は5月5日〜6日。

 本作は、カンヌ国際映画祭(2016)の「ある視点部門」にノミネートされ、また国際映画批評家連盟賞フランソワ・シャレ賞を受賞し、本国ロシアはもちろん、ヨーロッパやアジアなど世界各地の国際映画祭で話題をさらった作品だ。セレブレンニコフの映画は、これまで日本では公開の機会がなく、今回が本邦初となる。

 本作は、水泳の授業を休み聖書を読みふける思春期真っ只中の主人公ヴェーニャが、「神の言葉」の正当性を武器に、母親や教師たちを論破していくという物語。原作は、ベルリンを拠点に活躍する劇作家マリウス・フォン・マイエンブルクの戯曲『Martyr(殉教者)』である。

 激しい口論シーンはワンカット10分を超える長回しで見せるなど、随所にセレブレンニコフの演劇的な視点と工夫が凝らされる。宗教のみならず社会の欺瞞への強烈な問いを突きつける本作に注目だ。