2019.11.27

片岡真実が国際美術館会議(CIMAM)の新会長に任命。アジア人として史上初

2020年1月1日に森美術の新館長に就任する片岡真実が、2020年〜22年の国際美術館会議(CIMAM)新会長に就任することが発表された。同任期の理事会のメンバーには、テート・モダンやナショナル・ギャラリー・シンガポール、M+美術館などの館長やキュレーターがいる。

 

片岡真実 Photo by Ito Akinori

 2020年より森美術館の新館長に就任することが決まっている片岡真実が、新たな役割を担う。国際美術館会議(CIMAM)は、シドニーで行われた年次会議で、片岡を同組織の次期会長に任命したことを明らかにした。任期は2020年から22年まで。

 CIMAMは、1962年に設立された国際博物館会議(ICOM)の提携組織。世界の近現代美術館が共有する制度的課題、コレクションと展覧会などについて協議し、同分野の専門家のグローバル・ネットワークの育成を目指している。

 会長となる片岡に加え、2020〜22年任期のCIMAM理事には、テート・モダン(ロンドン)館長のフランシス・モリスやナショナル・ギャラリー・シンガポールとシンガポール美術館館長のユージーン・タン、M+美術館(香港)館長のスハーニャ・ラフェルなど、計13人が就任する。

 片岡は今回の新会長就任について、「CIMAMの歴史上、初めての非ヨーロッパ人の会長となることは光栄なことです。これは、CIMAMが世界中の近代・現代美術館の専門家による真にグローバルな組織であるという事実を反映したものです」とコメント。またその今後については、「経験豊富で熱心なCIMAM理事会、そして600名以上のCIMAM会員とともに、CIMAMが今後3年間で美術館のコミュニティと現代社会にどのように貢献できるのか、楽しみにしています」としている。

 「近現代美術館は、多様な文脈がある、非常に複雑な世界の中にいます。もしミュージアムが、私たちが生きているこの世界を反映するために変革を起こせる、アクティブな機関であるのならば、シドニーの年次総会で議論されたすべての問題──非植民地化やアートマーケットとの関係におけるコレクションの新しい意味、持続可能性、倫理と資金調達、そして壁や建物さえ越えたミュージアムの活動など──は、CIMAMのプラットフォーム上で継続的に議論されなければなりません」。

 理事会のメンバーは、この3年間の任期中、様々な作業部会に参加することで、「Museum Best Practices」や「Museum Watch Program」「Travel Grant Program」「Annual Conference Contents」などCIMAMのプログラムの実施を促進する。