森美術館の館長が交代、片岡真実が新館長就任へ。「求められる森美術館像を新たに模索」

東京・六本木の森美術館は、現館長・南條史生が2019年12月末で退任し、現副館長・片岡真実が20年1月1日に新館長として就任することを発表した。

片岡真実 撮影=伊藤彰紀

 東京・六本木の森美術館は、同館長・南條史生が2019年12月末日に退任し、現副館長兼チーフ・キュレーターの片岡真実が20年1月1日付で新館長に就任することを発表した。

 南條は、初代館長のデヴィッド・エリオットの後任として2006年11月に就任。以来、13年にわたって同館を率いてきた。退任後は、特別顧問に就任し、同館に関わっていくという。

 新館長となる片岡は1965年愛知県生まれ。ニッセイ基礎研究所都市開発部、東京オペラシティ アートギャラリーのチーフキュレーターを経て、03年より森美術館で勤務。09年にチーフ・キュレーターとなり、18年10月より副館長を兼任。主な展覧会として、「アイ・ウェイウェイ展─何に因って?」(2009)、「会田誠展:天才でごめんなさい 」(2012)、「N・S・ハルシャ展」(2016)などを企画。現在開催中の「塩田千春展:魂がふるえる」(〜10月27日)も片岡の企画だ。

「塩田千春展:魂がふるえる」展示風景より、《不確かな旅》(2016 / 2019)

 また同館での活動以外でも、第9回光州ビエンナーレ(2012)で共同芸術監督を、第21回シドニー・ビエンナーレ(2018)で芸術監督を務めるなど、国際的にも実績を残してきた。

 南條は退任に関し、「開館15周年という節目の年を経て、当館のさらなる発展のために新しい館長にバトンタッチする時が来ました」とコメント。新館長・片岡について「日本でも数少ない女性館長として、また国際的にもっとも活躍している日本人キュレーターのひとりとして、森美術館の次の時代を築き上げてくれるものと確信いたします」としている。

 また片岡は、「今日求められる森美術館像を新たに模索してまいりたいと考えています」としながら、今後の指針として「地域コミュニティとのつながりの強化」「ダイバーシティの強化」「実体験の重要視」を挙げ、「現代アート界全体の活性化と成長にも寄与したい」とコメントしている。

 なお、森美術館における2020年度の展覧会スケジュールは次の通り。「STARS展:現代美術のスターたち―日本から世界へ会期」(4月23日〜9月6日)、「ヘザウィック・スタジオ展」(4月8日〜6月14日、六本木ヒルズ展望台 東京シティビュー・スカイギャラリー)、「アナザーエナジー展:創造しつづける女性アーティスト(仮題)」(10月1日〜2021年1月3日)、「Chim↑Pom展(仮題)」(2021年4月22日〜8月22日)。

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