文化庁、あいちトリエンナーレ2019への補助金約7800万円交付を取りやめか

文化庁は、「あいちトリエンナーレ2019」の展示内容についての事前の申請内容が不十分だったとして、予定していた約7800万円の補助金を交付しない方針を固めたことがわかった。

愛知芸術文化センター

 あいちトリエンナーレ2019の一企画である「表現の不自由展・その後」が抗議と脅迫の電話を受け、開幕から3日後に展示を中止。それを受け、参加アーティストによる展示中止、作品内容の変更などが相次いで行われている。

 NHKによると、これら一連の動きの発端となった「表現の不自由展・その後」の内容を受け、文化庁は「事前の申請内容が不十分」だったとして、約7800万円の補助金交付を取りやめる方針を固めたことがわかった。この補助金は今年4月、観光資源としての文化の活用推進を目的とした国の補助事業として採択し、文化庁から交付される予定だったものだ。

 文化庁は、(申請者である愛知県が)開催にあたり、来場者を含め、展示会場の安全や事業の円滑な運営を脅かすような重大な事実を認識していたにも関わらず、事実を申告することなく、文化庁から問い合わせを受けるまで事実を申告しなかったこと。そして審査の視点で重要な点である、実現可能な内容になっているか、事業の継続が見込まれるかの2点において適正な審査を行うことができなかったとして、補助金適正化法に基づき、全額不交付とする方針を固めたという。

 事前に確定していた補助金。その全額が、展示内容を受け翻って不交付になるという異例の事態について、美術関係者からは文化庁の判断を問題視するとともに再考を願う声が多数上がっている。

 なお、この文化庁の方針について、愛知県の大村秀章知事は26日、報道陣の取材に対して「現段階で文化庁から何の連絡も入っていない」とし、その理由と内容等々について精査したうえで適切に対応していきたいとのコメントを述べている。

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