マーク・ロスコの《無題、1960》が出品される5月のサザビーズ・ニューヨークの現代美術イヴニング・オークション。同セールに、現代美術に大きな影響を与えたフランシス・ベーコンの《叫ぶ教皇の頭部のための習作》(1952)が登場することが発表された。
リチャード・E・ラング、ジェーン・ラング・デイヴィス・コレクションより出品される同作は、ベーコンの「叫ぶ教皇(Screaming Pope)」シリーズ作品のひとつ。予想落札価格は2000万〜3000万ドル(約22億〜33億円)。
同作は、ベーコンが1952年に制作した6つのポートレートのひとつであり、ジャクソン・ポロックの伝記作家、美術評論家、そしてコレクターのB・H・フリードマンによって購入された。ほかの5つのポートレートは、いまイギリス・ロンドンのテート・モダンとニューヘイブンのイェール・ ブリティッシュ・アート・センターに所蔵されている。
5月16日にニューヨークで開催されるオークションに登場前、同作は香港、パリ、ロサンゼルスで巡回展示される。
サザビーズ・ニューヨークの現代美術部門長で、かつてフランシス・ベーコン・エステートの研究者を務めていたグレゴワール・ビローは、次のようにコメントしている。「この絵には、割れた鼻眼鏡や紫色のモゼッタ、そして残響の叫び声など、ベーコンのもっとも有名な作品のすべての要素が含まれています。そして、ベラスケス、ムンク、プッサンの作品や、ベーコンの生涯にわたる人間の状態の探究からインスピレーションを得ています」。
なお上述のリチャード・E・ラング、ジェーン・ラング・デイヴィス・コレクションより、アルベルト・ジャコメッティ《Le Couple》(1927、予想落札価格:90万〜150万ドル)やハンス・ホフマン《View from the Balcony》(1964、予想落札価格:50万〜70万ドル)、ウィレム・デ・クーニング《Woman with Red Hair》(1967、予想落札価格:35万〜45万ドル)なども、5月14日と17日にサザビーズ・ニューヨークで行われるオークションに登場する。