アメリカの現代アートシーンを牽引するニューヨーク近代美術館(MoMA)が、展示スペースの拡張と大規模改装のリニューアルプランを発表した。そのため、6月15日〜10月21日は閉館する。
建築事務所Diller Scofidio + RenfroとGenslerが共同で担当する今回の拡張では、3700平米を超える展示スペースが新たに設けられ、学際的な方法でより多くの作品を展示することが期待されている。
リニューアル・オープン後、美術館の中心部にあるスタジオでは、現代美術の歴史と現在の文化的な動向を反映するライブプログラムやパフォーマンスが行われる予定。加えて2階のスペースでは、現在、過去、そして未来について新しいアイデアを探求する教育プログラムが実施される予定だ。
本館と隣接するように増築される新しい展示スペースでは、あらゆる媒体、かつより多様な背景を持つアーティストによる作品を展示。また、コレクションギャラリーでの展示を6〜9ヶ月ごとに入れ替えることで、近代・現代美術をより全面的に紹介することを目指すという。
今回のリニューアルについて、同館館長のグレン・ラウリィは、「この拡張は、ニューヨークの実験的な美術館になるという初代館長、アルフレッド・バー・Jr.の構想に触発されたもの。(拡張の)本当の価値は、ただより多くのスペースを生み出すだけではなく、美術館でのアート体験を再考することを可能にするスペースをつくることです」とコメント。「私たちは創設時の使命に立ち返り、拡大する機会を得ています。すべてのビジュアルアートを通じ、MoMAを私たちの時代のアートを研究・展示するための実験場として皆さんに体験していただきたいです」。
なお10月には、リニューアル・オープンを記念し、現代ラテンアメリカ美術に注目したグループ展「Sur moderno: Journeys of Abstraction」やポープ・Lの個展「member: Pope.L, 1978–2001」、ベティ・サールの個展「Betye Saar: The Legends of Black Girls Window」など、同館のコレクションを大規模に紹介する展覧会が開催予定となっている。