2019.1.3

展覧会で日本人の美意識をアピール? 官邸主導、2020年「日本博」の骨子が明らかに

首相官邸が実施に向けて動いている2020年開催予定の「日本博」。そのテーマや具体的な方向性などが第1回日本博総合推進会議にて明らかにされた。

「縄文展」(東京国立博物館)の展示風景

 首相官邸が設置している「日本の美」総合プロジェクト懇談会が推進してきた「日本博」、その骨子が明らかになった。

 「日本博」とは、総合テーマである「日本人と自然」のもと、「美術・文化財」「舞台 芸術」「メディア芸術」「生活文化・文芸・音楽」「食文化・自然」「デザイン・ ファッション」「共生社会・多文化共生」「被災地復興」などの各分野を横断し、「縄文時代から現代まで続く『日本の美』を国内外へ発信し、次世代に伝えることで 更なる未来を創生する」(第1回日本博総合推進会議議事次第より)というもの。

 官邸は2020年の東京五輪開催を機に、「『日本の美』を体現する美術展・舞台芸術公演・文化芸術祭等を全国で展開」(同上)することを計画している。

 現時点で挙がっている企画案は、「日本の美、日本人と自然をテーマと した美術品、国宝・重要文化財展示(仮)」「日本の美—工藝と自然—(仮)」「時空を超える日本のアート—古典×現代2020(仮)」「MANGA都市TOKYO ニッポンのマンガ・アニメ・ゲーム・特撮(仮)」「日本のファッション、デザイン展(仮)」など。

 「国宝・重要文化財展示(仮)」では、国宝《火焔土器》や国宝《薬師如来像》、重要文化財《紙本墨画鳥獣人物戯画甲巻断簡》などの国宝・重要文化財を集中展示。「時空を超える日本のアート—古典×現代2020(仮)」では、日本を代表する現代美術家、デザイナー、建築家の作品を日本美術の古典と組合せて展示、「時代を越えて継承されている造形や美意識を、自然という観点で浮き彫りにする」という。

 なお今後は2019年1月に「日本博の開催準備等に関する関係府省連絡会議」、2月に文化庁「日本博」企画委員会(第2回)を実施した後、3月3日には「日本博」旗揚げ式を国立劇場で開催。20年3月中旬に東京国立博物館にて 「日本博」オープニングセレモニーの開催が予定されている。