今年のターナー賞は、シャーロット・プロジャーに決定。iPhoneで撮影した映像作品《BRIDGIT》などが評価

1984年に設立され、イギリスを拠点とする現代美術作家を対象としたターナー賞。その2018年度の受賞者がシャーロット・プロジャーに決定した。

シャーロット・プロジャー(テートのTwitterより)

 毎年世界から注目を集める、イギリスの現代美術アワード「ターナー賞」。今年は、フォレンジック・アーキテクチャー、ナイーム・モハイエメン、シャーロット・プロジャー、ルーク・ウィリス・トンプソンの4組がノミネートされ、12月5日に行われた授賞式で、シャーロット・プロジャーのグランプリ受賞が発表された。

 シャーロット・プロジャーは1974年イングランド生まれ。ロンドン大学ゴールドスミスカレッジ、グラスゴー美術学校を卒業後、現在はグラスゴーを拠点に活動している。

 これまでスカルプチャー・センター(ニューヨーク、2017)、スパイク・アイランド(ブリストル、2015)などで個展を開催するほか、「Coming Out: Sexuality, Gender and Identity」(バーミンガム美術館、2017)、「Weight of Data」(テート・ブリテン、2015)といったグループ展に参加。2019年には第58回ヴェネチア・ビエンナーレのスコットランド館で個展を行う。

 プロジャーはおもに動画、彫刻、テキスト、パフォーマンスを表現媒体として活動。クィアとしてのアイデンティティ、風景、言語技術と時間を取り巻く問題を探求してきた。

 今回ターナー賞で選考対象となった作品のひとつ《BRIDGIT》はすべてiPhoneで撮影された32分の映像作品。自宅、電車の車窓からの風景、船の展望台、スコットランド・アバディーンシャーなどの映像に、プロジャーの個人的な考察に基づくナレーションが重ねられているというもの。プロジャーには賞金として2万5000ポンド(約380万円)が贈られる。

 本賞を主宰するテートのYouTubeページではプロジャーのインタビューが紹介されているため、こちらもチェックしてほしい。

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