2018.10.9

レアンドロ・エルリッヒが新たなプロジェクトを発表。ブエノスアイレスに巨大な「スポーツボール」が出現

見る者の常識を揺さぶるような作品で知られるレアンドロ・エルリッヒが、新たなプロジェクトを発表した。10月5日から18日までのあいだ、5つの大規模なハイパーリアルなスポーツボールがアルゼンチン・ブエノスアイレスのオリンピック・フォーラムとユースオリンピックに出現する。

レアンドロ・エルリッヒ ボール・ゲーム(Instagramより)

 金沢21世紀美術館の常設作品《スイミング・プール》(2004)や森美術館で開催された大規模個展「レアンドロ・エルリッヒ展:見ることのリアル」で大いに注目されたアルゼンチン出身のアーティスト、レアンドロ・エルリッヒが、新たなプロジェクトを発表した。

 エルリッヒは、人間の感覚を遊ぶことで知られている。今回の「ボール・ゲーム」というプロジェクトは、5つの大規模なハイパーリアルなスポーツボール(サッカー、バスケットボール、テニス、バレーボール、ゴルフ)によって構成されるものだ。

 また、本プロジェクトは、今年アルゼンチンのブエノスアイレスで開催されるオリンピック・フォーラムとユースオリンピックに訪れる観客を参加者に変化させることを目指している。

 10月7日朝、参加者がパレルモ近郊に招待され、本プロジェクトのボールを集団の努力で一緒に動かした。参加者がシーシュポスのように巨大なスポーツボール(岩)を動かすことを通し、オリンピック精神やスポーツ、現代社会などの関係を、エルリッヒ独特のユーモアで示している。

 また、エルリッヒは、「これらのスポーツボールは、友情、卓越、そして敬意が一体となった精神のシンプルな視覚的表現です。記念碑的な物体を動かすという課題に直面するとき、私たちは自然に、コラボレーションや友愛といった反応を見せるでしょう。このゲームは、オリンピックの価値に触発され、我々が一緒に前進することを促します」とコメントしている。