アイ・ウェイウェイの北京郊外のスタジオ、取り壊しへ

現在はドイツに活動の拠点を移している現代芸術家のアイ・ウェイウェイ(艾未未)の、中国で使用していた制作スタジオが取り壊された。自身のインスタグラムには取り壊し工事の様子がアップされている。

アイ・ウェイウェイのインスタグラムアカウント(@aiww)より

 2018年8月3日、アイ・ウェイウェイ(艾未未)の北京郊外にある制作スタジオの取り壊し工事が始まった。事前通告なしで行われたという工事の様子を、アイが自身のインスタグラムに投稿し、事態が発覚した。

 

Demolition of the studio starts now.2:00 Beijing time.

Ai Weiweiさん(@aiww)がシェアした投稿 -

 もともとは車の部品工場だったという同所を、アイは06年からスタジオとして利用。しかし11年に反政府に対する取り締まりのため拘束やパスポートの没収などを経て、アイは15年からはドイツ・ベルリンに移住。同地を拠点に、精力的に活動を続けている。

 今回の取り壊しについて、アメリカのメディア「ラジオ・フリー・アジア」はアイのインタビューを掲載。そこでは、事前に伝えられていたスケジュールよりも早く、事前通告なしで取り壊し工事が行われたことにショックを受けているということや、まだ作品が同スタジオに残っていたことなどが語られている。

 いっぽう、AFP通信によると、アイのアシスタントは「2017年の秋に部屋の賃貸契約が終了していた。アイは取り壊しについて怒りをあらわにすることはなかった」とコメントを寄せたという。

 この取り壊しには、アート界からも反応が寄せられている。アイの友人であるアーティストのオラファー・エリアソンは、自身のインスタグラムにこの取り壊し工事の動画をアップ。「アイの大型作品はこのスタジオから生まれた。突然の取り壊しに非常に驚いている」と投稿している。

 中国の活動拠点をひとつ失ったことになるアイ。アート市場がますます活発化する同国とアイが、どのような距離感を保ちつづけるのか注視したい。

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