2018.6.18

池田亮司の作品をオールナイトで。
鮮烈な音と光が空間を満たす
「Ryoji Ikeda concert pieces」が
3日間にわたって開催

徹底した数学的精度・美学を通して音の本質と視覚化を追求、視覚メディアとサウンドメディアの領域を横断する電子音楽家、ビジュアル・アーティストの池田亮司。東京・表参道のスパイラルでは「Ryoji Ikeda concert pieces」として、これまでに発表したオーディオ・ビジュアル作品3作を7月27日〜29日の3日間にわたってオールナイト上演する。

池田亮司 datamatics [prototype-ver.2.0], 2006- © Ryoji Ikeda Photo by Ryuichi Maruo Courtesy of Yamaguchi Center for Arts and Media(YCAM)
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 池田亮司は1966年生まれ。現在パリを拠点に、音そのものが持つ本質的な特性とその視覚化を、数学的精度・美学に徹底して焦点を当てながら追求。音響や映像、物質、物理現象、数学的概念などの精緻な構成を用いて、鑑賞者を包みこむようなライブとインスタレーションは世界中から注目を集めており、現在、ポンピドゥ・センターにて開催中の個展(〜8月27日)では新作インスタレーションを発表している。

 今回スパイラルで3日間にわたり開催される「Ryoji Ikeda concert pieces」では、《formula[ver.2.3]》(2000-05)《C4I》(2004-06)《datamatics[ver.2.0]》(2006-)の3作品を上映。

上——formula [prototype - ver.2.3], audiovisual concert 2000-05 © Ryoji Ikeda Photo by Eiji Kikuchi
下——C 4I , audiovisual concert, 2004-06 © Ryoji Ikeda Photo by Kazuo Fukunaga Courtesy of YCAM (Yamaguchi Center for Arts and Media)

 《formula[ver.2.3]》では、可聴周波数と、映像による完璧なシンクロナイズ(同期)が展開され、闇の中で鑑賞者の知覚は増幅される。《C4I》では、美しい自然の風景を収めた映像がゆっくりと言語データへと抽象化され、情報、数字、図形によるグラフィックへとしだいに姿を変えていく。

 そして世界に揺籃する膨大な量の不可視のデータを美学的、形式的に知覚化することを探求したプロジェクト《datamatics[ver.2.0]》では、数学的なアプローチによって知覚化されたデータが、鮮烈かつミニマルな映像として荘厳なまでの世界を展開していく。

 視覚と聴覚の限界に挑む、鮮烈な音と光の空間を体験したい。