沖潤子が新シリーズを発表。
KOSAKU KANECHIKAで
個展「蜜と意味」を開催

東京・天王洲のKOSAKU KANECHIKAが沖潤子の個展を開催。「蜜と意味」と題された本展は、様々な「時間」とその中にある「物語」を象った新作12点で構成される。会期は6⽉9⽇〜7⽉21⽇。

沖潤子 蜜と意味 02 2018 Photo by Kenji Takahashi © Junko Oki, Courtesy of KOSAKU KANECHIKA

 沖潤⼦は1963年⽣まれで、鎌倉市を拠点に制作している美術家。主な個展歴は「Recycle」(2009、ARTS&SCIENCE 青山、東京)、「刺⻘」(2013、Gallery B、神奈川)、「gris gris」(2016、DEE'S HALL、東京)、「junko oki」(2017、Office Baroque、ブリュッセル)など、国内外問わず活動している。また、17年には「第11回 shiseido art egg賞」を受賞するなど、いまもっとも注目を集める作家の一人だ。

 「時間」を核として制作を進める沖は、「使⽤する古い布が持つ時間」「それを所有していた誰かの時間」「そして沖が針を刺すことによって残す膨⼤な針⽬の持つ時間」といった時間の中にある様々な物語を見つめている。

沖潤子 蜜と意味 01 2018 Photo by Keizo Kioku © Junko Oki, Courtesy of KOSAKU KANECHIKA

 沖の制作プロセスは、古い布ボロをパッチワークのように繋ぎ合わせ、⻑い時間をかけて針を刺し、最後は⽯鹸で洗い、⼲すというもの。ボロからは⿊い汁が出たり、また⾊のついている布からは⾊落ちして針⽬が染まるといった偶然性を孕みながら、その時間と物語にかたちを与えていく。

 沖にとって、KOSAKU KANECHIKAでは昨年の安野谷昌穂との二人展に引き続き2度⽬となる本展。「蜜と意味」と題された今回の個展は、新作約12点を中心に構成。布の繊維と沖の刺繍⽷が物理的に絡むことでかたどられていく時間や経験。沖の奥深い詩的表現によって紡ぎ出される新作に期待が高まる。

編集部

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