gallery αMでは毎年ゲストキュレーターを招き企画展シリーズを行っている。今年度はDIC川村記念美術館学芸員・光田ゆりを招いて「鏡と穴-彫刻と写真の界面」を開催。7名の作家の展示を通して、現代写真と彫刻のありかたを考察する。
第6回目となる本展では、1987年愛知県生まれの彫刻家・柄澤健介による個展を開催する。柄澤は、木を彫り進めて穿たれた空洞にパラフィンワックスを流し込み、その失われた空間を可視化した作品や、山中へ分け入ってとらえた形体をかたどった山の作品を制作している。
その作品に一貫しているのは立体の表層だけでなく、内側へも向けられた視点だ。本来作品の影となる空間に実像を与えることで、柄澤の作品は彫刻でありながら影像的なものになっている。