写真と近現代美術史を専門とする美術評論家の光田ゆりが企画する、現代写真と彫刻のありかたを考える展覧会シリーズ「鏡と穴-彫刻と写真の界面」。
第四弾で紹介する小松浩子は1969年神奈川県生まれ。2006年に写真を始め、09年に幅約1メートルの印画紙で展示空間の壁面全体を覆った作品で初個展を開催。以降、都市近郊にある屋外に設けられた建設資材や廃材の集積場で様々な部品、資材、製品を撮影し、空間全体をモノクロ写真で埋め尽くすインスタレーションを発展させている。
カーテンのように天井から吊り下げたり、床に敷き詰めたりと、膨大な量の写真で構成される小松のインスタレーションは、写されるものの物体量と、写したものの物体量を平衡させるかのようだ。本展では新作を展示する。