1948年生まれの刈谷博は77年の渡米以降、ニューヨークのMOMA PS1でのグループ展への参加や、ペンシルバニア大学付属現代美術館での個展、水戸芸術館で開催された「開放系」など80年〜90年代にかけて国内外で活躍してきた。しかしながら、2000年以降は作品発表を控え、スタジオにて制作をつづけてきた。そんな刈谷が21年ぶりの個展を開催する。
本展では「経」をテーマにした作品を発表。一日一握りの種子に「the now is」という言葉を書き込んでいく「種子経」などが展示される。「the now is」は刈谷にとっての「経」である言葉。刈谷は祈ることについて「無数に偏在することごとくの、そしてひとつの、宇宙の均衡」という。21年ぶりの個展で、刈谷は内なる宇宙を見せる。