金田遼平 VS たかくらかずき。
12ラウンドの「闘い」に見るデジタルグラフィックの可能性とは

ともにデジタルグラフィックを表現手段とする金田遼平とたかくらかずきが、二人展「BOX/RING」を開催中。それぞれIllustratorとPhotoshopのみを使用し、制限時間など独自のルールのもとで制作した作品を展示する。会期は12月6日まで。

BOX/RING メインビジュアル

 現在のデジタルグラフィックは、大きく2つの形式に分けられる。ひとつはAdobe Illustratorに代表される線と面による座標表現「Vector」、もうひとつはAdobe Photoshopなどで描かれるドット集合描写「Raster」だ。

 本展は、主に「Vecter」を使用するグラフィックデザイナー、アートディレクターの金田遼平と、「Raster」を用いるイラストレーター、アーティスト、ゲームクリエイターのたかくらかずきによる二人展。

金田遼平 夏目漱石[27min.]vector

 本展に向け2人は、制限時間を設け、全部で12ラウンド / 12テーマの作品を制作。テーマはWikipediaから選出され、1テーマにつき、それぞれの単体作品と、それらを2人がリミックスした作品を制作し、12ラウンドで計48作品が出来上がった。

たかくらかずき プリンター[3min.]Raster

 製作時間を制限することによりスポーツやセッションのような即興性を持ったこれらの作品は、制作中の姿勢や視線の流れ、デバイスを駆使する両腕や指先の動きなど、操作する者の身体性を反映している。一様な印象を持たれがちなデジタルツールだが、本展ではその新たな側面を見ることができるだろう。

編集部

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