武蔵野美術大学が運営するギャラリーαMは、現代美術作家の発見・育成とキュレーターへの展示企画の場の提供を目的とし、毎年ゲストキュレーターを招いて企画展を開催している。
2017年度のゲストキュレーターを務めるのは、写真と近現代美術史を専門とする美術批評家で、DIC川村記念美術館学芸員の光田ゆり。現代写真と彫刻のありかを反射率100%の「鏡」と0%の「穴」の界面にみる試みとして、「鏡と穴ー彫刻と写真の界面」と題したシリーズを7回にわたって展開する。
第一弾の作家は、高木こずえ。高木はキヤノン写真新世紀グランプリ(06年)、木村伊兵衛写真賞(10年)などを受賞し、ストレートフォトグラフィからデジタルコラージュまでシリーズ発表ごとに多様に変化する作品で注目を集めている。
今回の個展では、過去に制作した写真やコラージュのなかに発見したイメージを現実世界に再現することを試み、インクジェットプリント、撮影のために制作した様々な小道具、そして写真を描きとった油彩画の3つで展示を構成する。