フェリーチェ・ベアト(1834〜1909)は、幕末から明治にかけて横浜を拠点に、日本の風景や風俗を広く撮影した写真家。彼の確かな技術による写真の数々は、幕末の日本の光景を現在に伝えてくれる貴重な資料でもある。
これらの写真は日本の洋画の発展において、重要な役割を果たしていた。洋画家たちは風景や構図を写真から学び、油彩画の芸術性を高めていった。9月9日から開催の「フェリーチェ・ベアトの写真 人物・風景と日本の洋画」では、幕末・明治に撮影された写真約180点と、同時期に日本で制作された洋画作品18点を紹介。ベアトの写真や、日本で生まれた洋画から、東西の文化の関わりを見つめなおす展示となっている。