本展は、テート美術館が自ら編んだ、YBAと90年代英国アートの決定版。世界最大級の近現代美術コレクションを誇るテート美術館の所蔵作品から、約60名の作家によるおよそ100点の作品を通じて、90年代の英国美術の革新的な創作の軌跡を検証する。参加作家は、ダミアン・ハースト、ジュリアン・オピー、ルベイナ・ヒミド、スティーヴ・マックイーン、トレイシー・エミン、ヴォルフガング・ティルマンスなどそうそうたるラインナップだ。
テート美術館のコレクション部門ディレクター兼キュレーターであるグレゴール・ミューアとテート・ブリテンの現代美術部門のキュレーターであるヘレン・リトルは本展に際し、以下のようなコメントを寄せている。
テート美術館にとって初めての「90年代の英国美術」を振り返る展覧会を、東京と京都の名高い美術館で開幕できることを、大変光栄に思います。1990年代の英国は、政治・経済・文化の面で大きな変革を経験した時代でした。そうした社会状況のなかで、多くのアーティストたちが新たな表現や探求に挑戦していきました。来場者の皆さまにとって、本展覧会が、変化に富む英国社会の中で生まれた作品や作家の精神の神髄に触れる機会になればと願っています。変化の著しい現代においてもなお、この時代の芸術は重要な意味を持ち続けています。(グレゴール・ミューア)
1990年代において英国のアートシーンと深いつながりを持っていた日本で本展を開催できることを、大変うれしく思います。展覧会の企画を進める中で、多くのアーティストが日本で作品を発表したり、日本から創作のインスピレーションを得たりするなど、両国の間に数多くのつながりがあることを改めて確認することができました。英国の歴史の一時代を従来の美術史的な枠組みを越えて掘り下げ、英国各地で展開されたアーティストたちの活動とその成果を一つの物語として描き出すことは、とても意義深く充実した経験でした。来場者の皆さまにも、地域間のつながりや、変革と創造に満ちたあの時代の空気を感じ取っていただけたら幸いです。(ヘレン・リトル)

なお本展のロゴや広報に関わるキービジュアルのデザインは、コラージュアーティストでありデザイナーの河村康輔が手がけた。
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