今後同じ過ちを繰り返さないためにも、芸術分野における真贋をめぐる諸問題について議論の場を生み出すことを試みる本展は、全4章構成。
第1章「贋作の歴史」では、古今東西の主な贋作事件が取り上げられ、贋作にまつわる歴史が年表形式のパネル展示で紹介される。つづく第2章「真作?それとも?──作品の外側から分かること」では、同館の古美術の収集事例を通して、著名な画家の真作と「そうでないもの」の線引きの難しさについて、実際に所蔵作品を紹介しながら問題提起される。
そして第3章「《少女と白鳥》を視る」では、1919 年作とされていた本作が、その年代に制作されたものではないと判断するまでに行った科学調査の詳細を、実作品と資料とともに紹介。さらに、美術・法律・科学といった複数の分野の専⾨家に投げかけた今回の贋作事件にまつわる質問に対する回答も掲示され、多角的に贋作について考える機会となる。



















