学校法人瓜生山学園 京都芸術大学と東北芸術工科大学が、学生選抜展「DOUBLE ANNUAL2025 アニュラスのじゃぶじゃぶ池/omnium-gatherum」を国立新美術館で開催する。会期は2月22日~3月2日。
本展は、全学部生・院生を対象に募集・選抜を行い、ディレクターの提示したテーマに応答するかたちで、ディレクターたちと対話を続け、制作指導を受けながら展覧会をつくり上げる実践的な芸術教育プログラム。2022年度からは姉妹校である東北芸術工科大学からも学生選抜を行うプロジェクトへと発展させ、京都と山形という二つの異なる地点から「アートになにができるのか」を問いかけるものとして開催されてきた。
今年度のディレクターは堤拓也(京都芸術大学、山中suplexプログラムディレクター)と慶野結香(東北芸術工科大学、青森公立大学 国際芸術センター青森 [ACAC] 主任学芸員)の2名。監修は片岡真実(森美術館館長)が担う。
参加作家は、89組の応募者のなかからディレクターによる審査を経て選ばれた以下の11組。
- 張子宜 Chang Tzuyi(京都芸術大学美術工芸学科 写真・映像コース4年)
- Dbl.RT FW(黄安琪、曾旭鹏/Huang Anqi、Zeng Xipeng)両名とも(京都芸術大学大学院 美術工芸領域)修士1年)
- 菱木晴大 Seidai Hishiki(京都芸術大学美術工芸学科 染織テキスタイルコース3年)
- Itsushi Group(⽥英凡、流夢、ウィハンコ・ニコラス・ポール/Tian Yingfan、rumu、Wijango Nicholas Paul)(京都芸術大学大学院 グローバル・ゼミ(修士 1年)2名、(修士 2年)1名)
- 小坂美鈴 Misuzu Kosaka(京都芸術大学大学院 芸術専攻 美術工芸領域 染織テキスタイル修士2年)
- ヴィオラ・ニコラス Viola Niklas(京都芸術大学大学院 芸術専攻 美術工芸領域 写真・映像修士 1年)
- 栗原巳侑 Miu Kurihara(東北芸術工科大学大学院 芸術文化専攻 複合芸術領域修士2年)
- Modern Angels(榮村莉玖、荒井佳能、早坂至温/Riku Eimura、Yoshitaka Arai、Shion Hayasaka)(東北芸術工科大学美術科 洋画コース(3年)2名、彫刻コース(4年)1名)
- 篠優輝 Shino Yuki(東北芸術工科大学大学院 芸術文化専攻 絵画領域修士1年)
- 鈴木藤成 Tosei Suzuki(東北芸術工科大学大学院 芸術文化専攻 複合芸術領域修士2年)
- Yatsude Jun(東北芸術工科大学美術科 洋画コース3年)
また美術展をつくる一連のプロセスの一部を担うスタッフ「アート・プラクティショナー」として、以下6名が参加する。
- 鬼頭由衣 Yui Kito(京都芸術大学アートプロデュースコース学科3年)
- 永山可奈子 Kanako Nagayama(京都芸術大学大学院 グローバル・ゼミ修士1年)
- 松本妃加 Himeka Matsumoto(東北芸術工科大学文化財保存修復学科3年)
- 横田絢女 Ayame Yokota(東北芸術工科大学グラフィックデザイン学科3年)
- 佐藤弘花 Hiroka Sato(東北芸術工科大学大学院 芸術文化専攻 保存修復領域修士2年)
- 佐藤彩衣 Sae Sato(東北芸術工科大学工芸デザイン学科2年)
「山形と京都という二つの異なる地点から、広い意味での『アート』」によって、いかに現代の世界や社会を見つめ、応えることができるのか。それを両校の中間地点である東京・国立新美術館において、どのように伝えることが可能なのか。分断の行方は見通せず、戦禍はひろがり続け、価値観の対立は人々の連帯を困難にしています。また、ポストパンデミック時代という言葉もすでに後退し、社会は新しいフェーズへと移行しつつあります。このグローバルな状況を踏まえつつも個人的な視座から導き出された作品は日常を取り巻く事象に起点を置きながら、それぞれの捉える現実と熱心に向き合い、発信しようとしています。
約一年に及ぶ本プロジェクトが、これからプロのアーティストをはじめ何らかの表現活動を継続していく参加学生たちにとって、いつでも立ち戻ることのできる実験場となり、ここで出会ったものごとが、尽きない創造の水源となることを願っています」。
(プレスリリースより、ディレクター・監修のステートメント)