明治後期から昭和前期にかけて京都を中心に活躍し、鮮やかな色彩の花鳥画を数多く残した日本画家、石崎光瑤(いしざき・こうよう、1884〜1947)。その画業の全貌を紹介する特別展「生誕140年記念 石崎光瑤」が京都文化博物館で開催される。会期は9月14日〜11月10日。
光瑤は1884年富山県生まれ。石川県の金沢に滞在した江戸琳派の絵師、山本光一に師事し、その後19歳で京都に出て日本画の大家である竹内栖鳳に入門した。
1916年から翌年にかけてはインドを旅し、帰国後、その成果として熱帯風景の花鳥画である《熱国妍春》(京都国立近代美術館蔵)や《燦雨》(南砺市立福光美術館蔵)を描いて文展・帝展で特選を重ね、注目を集めた。1922年の《白孔雀》(大阪中之島美術館蔵)も傑作とされており、その後、ヨーロッパにも外遊、1933年には再びインドを旅する。
また、光瑤は早くから伊藤若冲に関心を持ち、1925年には若冲の代表作を発見、雑誌に紹介した。さらに若冲のみならず、京狩野をはじめ広く古画を学習し、制作にも活かした。
本展は光瑤の生誕140年の節目に、故郷である南砺市立福光美術館(富山県)のコレクションを中心に、初期から晩年までの代表作を一挙公開し、光瑤の画業の全貌を紹介するものとなる。