2024.2.20

アンゼルム・キーファーの大規模個展、二条城で開催へ

ドイツを代表するアーティスト、アンゼルム・キーファーの個展が京都の世界遺産・二条城で開催されることが決定した。

二条城

 京都市とファーガス・マカフリーギャラリーは、国際的に高い評価を受ける、ドイツの現代美術作家であるアンゼルム・キーファーの新作による展覧会を、2025年3月下旬から6月下旬まで、世界遺産・二条城で開催すると決定した。

 本展の会場となるのは、二の丸御殿台所・御清所や城内庭園。キーファーのアジアにおける個展としては過去最大規模のものとなる。

 アンゼルム・キーファーは1945年、ドイツのドナウエッシンゲン生まれ。法律とロマンス諸語を学んだ後、フライブルクの美術学校とカールスルーエ芸術アカデミーで絵画を学んだ。70年代初頭にはデュッセルドルフで、画家のヨーゼフ・ボイスに非公式に学んでいる。93年には日本で個展「アンゼルム・キーファー展 メランコリア―知の翼」を開催。この展示の成功を経て、99年に高松宮殿下記念世界文化賞を絵画部門で受賞し、国際的な評価を確固たるものとした。

 キーファーは今回の個展について、以下のようなコメントを寄せている。

約10年前、私は自身の絵画の世界に、鮮やかな新しい油彩と金箔を使用し始め、それらは私の絵画を新たな次元へと導いた。ゴールドは、私の絵画に内なる光を与える輝かしい支えであることが証明された。2022年にヴェネツィアのドゥカーレ宮殿での個展が実現し、そこからギャラリストのファーガス・マカフリー氏にもたらされる形で、私の日本への興味が一層深まることになった。やがて、狩野派の屏風に使われる鮮やかな金箔や、谷崎潤一郎が綴った古い日本建築への深い洞察に魅了され、それは私の芸術に新たな光を与えるインスピレーションとなった。二条城の反射光源としての金の実用的な使用は、私にとって啓示である。美学と政治力の融合、そして創造、破壊、再生の歴史的な循環は、私の意識に深く響く。2025年の春、桜が咲く頃に二条城での展示ができることを心から楽しみにしている。