2022年に表参道のGYRE GALLERYで開催された「高木由利子 写真展 カオスコスモス 壱 —氷結過程—」。これに続く「高木由利子 写真展 カオスコスモス 弐 —桜—」が開催される。会期は3月1日〜4月29日。
高木は東京都出身。武蔵野美術大学でグラフィックデザインを、イギリスのノッティンガム・トレント大学にてファションデザインを学んだのち、写真家として独自の視点から、衣服や人体を通して「人の存在」を撮り続ける。近年は自然現象の不可思議にも深い興味を持ち、「chaoscosmos」というプロジェクトを映像を含め新たなアプローチに挑戦している。22年から23年にかけて開催された「クリスチャン・ディオール、夢のクチュリエ」展(東京都現代美術館)ではオートクチュールの撮り下ろし作品を発表し、話題を集めたことは記憶に新しい。
22年のGYREでの展示では、水が氷に変貌する過程である「氷結過程」をテーマにした写真作品を発表した高木。第2弾となる本展では、日本人が愛してやまない「桜」を題材に、高木なりの視点で儚さや潔さに翻弄されながら撮り続けた作品が展示される。
我々日本人はある時から、桜の開花宣言を心待ちにするようになった。
平安時代の国風文化の影響以降、桜は花の代名詞になるほど、特別な位置を占めるようになったらしい。
日本人が愛してやまない桜。
この十年余り、私なりの視点で桜の儚さや潔さに翻弄されながら撮り続けている。
桜の開花速報よりも、どちらかと言うと、何時散り始めるかが知りたい!
一年に一回のチャンス。誇らしげに華やかに咲き乱れ、束の間に散り去るその行方に興味が湧く。
そして、図らずしも私は七年前に、樹齢百五十年の二本の山桜が土地の主の風貌で聳え立つ、標高1000mの土地に巡り合い、
そこに移住することを即決した。
呼ばれたとしか思えない、あっという間の出来事だった。
桜の大木と暮らすようになって、目まぐるしく変容していく様をより一層観察するようになった。
レンズを通して桜が見せてくれる密かな有り様を、
皆様にも目撃していただきたく、、(プレスリリースより、高木の言葉)