高木由利子 写真展

　写真家・高木由利子による展覧会「高木由利子 写真展 カオスコスモス 壱 — 氷結過程 —」が、GYRE GALLERYで開催される。

　高木は東京都出身。武蔵野美術大学でグラフィックデザインを、イギリスのノッティンガム・トレント大学にてファションデザインを学んだのち、写真家として独自の視点から、衣服や人体を通して「人の存在」を撮り続ける。近年は自然現象の不可思議にも深い興味を持ち、「chaoscosmos」というプロジェクトを映像を含め新たなアプローチに挑戦している。

「chaoscosmos」プロジェクトは、あることをきっかけに高木が自然現象をレンズを通してとらえていくうちに、「もしかするとカオスとコスモスは同時多発的に共存しているのではないか」という気づきから始まった。高木は次のように述べている。

「宇宙の摂理は、私たちが日常的に漠然と受け止めているよりも、遥かに複雑で綿密で意外性に富んでいるようだ。それぞれの物質、生命の特性（現象）は、この宇宙に存続するための方法論なのかもしれないとも思う。その現象が時として、レンズを通して視覚的に現れることがある。肉眼では見えない、あるいは気付かない自然現象に潜んでいるMMM（M：magical、M：mysterious、M：miracle）を、ある時から、カメラというメカニズムを介して、ささやかなメッセージとして受け取るようになった。そのメッセージを、私はchaoscosmosと呼ぶことにした」。

　本展は、「chaoscosmos」プロジェクトの最初の展覧会であり、いま高木が拠点としている寒冷地にて氷を観測・撮影した「-icing process-」を発表する。