規格外野菜の価値を見つめ直すために、彫刻、絵画、写真、音楽、物語、言葉の6つの切り口で野菜を作品化した展覧会「アートな青果展」が「ITOCHU SDGs STUDIO」で開催されている。会期は9月18日まで。
「アートな青果展」は、農産品規格から外れた「規格外野菜」が、価値が低いと見なされ、廃棄されてしまう商習慣への問いをテーマとした展覧会。本展を通じて「規格外野菜は本当に価値が低いのか」という問いを投げかけ、アーティストによる表現を通じて視点の転換を迫るもの。
展示は彫刻、絵画、写真、音楽、物語、言葉の6つの観点から構成される。「カタチを見つめる 彫刻」では、実際に収穫された規格外野菜を3Dスキャンし、彫刻作品として展示。また、来場者がAR技術によって野菜の姿になるという試みも行われる。
「色を感じる 絵画」では、中山信一、砂糖ゆき、大津萌乃、椎木彩子が参加し、規格外野菜をモチーフにアップサイクル画材で作品を制作。原画は野菜とセットで販売される。
「いびつさを愛する 写真」は、写真家の磯部昭子が撮り下ろした規格外野菜の写真を展示する。「歪み」や「裂け」といった規格外野菜がそれぞれ有している特徴に焦点を当て、そこに宿る個性に目を向ける。
「個性を奏でる 音楽」では規格外野菜の断面を音に変換。「魅力を紡ぐ 物語」は規格外野菜を主役とした物語を、「視点を新しく 言葉」では規格外野菜から発想した新たな「かるた」を紹介する。
本展における作品の売上は、失職者や働きづらさを持つ人と、人手不足の農業をつなげる活動を行なうNPO法人「農スクール」へ寄付される。