モチーフにこめられた自然や命へのまなざし。「ディーン・ボーエン展 オーストラリアの大地と空とそこに生きる私たち」が群馬県立近代美術館で開催へ

オーストラリアのメルボルンを活動の拠点とし、同地の風土と自然を力強く表現するアーティスト、ディーン・ボーエンの企画展示「ディーン・ボーエン展 オーストラリアの大地と空とそこに生きる私たち」が群馬県高崎市の群馬県立近代美術館で開催される。

黒いカナリア Black Canary 2015 リトグラフ、紙 ギャルリー宮脇蔵 Collection Galerie Miyawaki, Kyoto

 オーストラリアのメルボルンを活動の拠点とし、同地の風土と自然を自由な想像力とユーモアで素朴ながら力強く表現するアーティスト、ディーン・ボーエン(1957〜)の企画展示「ディーン・ボーエン展 オーストラリアの大地と空とそこに生きる私たち Dean Bowen Australia: Land, Sky, Birds and Creatures」が群馬県高崎市の群馬県立近代美術館で開催される。会期は7月8日〜8月27日。

ムーン・ドッグ Moon Dog 1998 エッチング、アクアティント、ドライポイント、紙 ギャルリー宮脇蔵 Collection Galerie Miyawaki, Kyoto

 ボーエンはロイヤルメルボルン工科大学で版画を学んだのち、就職を経て、創作活動のため渡欧。版画工房で研鑽を積んできた。1994年にはオーストラリアで最高位ともいわれるフリマントル版画賞グランプリを受賞、同年と97年には大阪版画トリエンナーレで特別賞を連続受賞するが、その創作意欲は版画のみにとらわれず、油彩、水彩、ブロンズ彫刻、廃材アサンブラージュ、アーティストブック(ポートフォリオ)など幅広い表現を追求してきた。ボーエンの作品には、オーストラリア固有のコアラやウォンバットをはじめ、犬、猫、鳥や昆虫といった生き物と、旅を連想させる自動車や飛行機、船といった乗り物、人々や街並みがよく登場するのが特徴だ。

 本展では、版画80点と油彩や水彩、ブロンズ彫刻、アサンブラージュ、アーティストブックなど全150点展示。カラフルで可愛らしいモチーフを通じて、ボーエンがとらえる自然や命へのまなざしをたどることができるだろう。

 なお本展関連イベントとして、トークイベントや学芸員による作品解説会も実施予定。興味のある方はこちらにも是非足を運んでみてはいかがだろうか。

コアラ Koala 2020  ブロンズ 作家蔵 Collection of the artist
愛の家(小) The House of Love(Tiny) 2019 ブロンズ 作家蔵 Collection of the artist
夜のワライカワセミ Nocturnal Kooka 2012 油彩、板 ギャルリー宮脇蔵 Collection Galerie Miyawaki, Kyoto

編集部

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