20世紀を代表する彫刻家イサム・ノグチ(1904〜1988)。ノグチが用いた道具に焦点を当てた展覧会「イサム・ノグチTOOLS」が、3月4日より兵庫県神戸市にある竹中大工道具館で開催される。
ノグチは、木や石はもちろん、金属や粘土、時には紙など、様々な素材を用いて作品制作に取り組んだことで知られている。作品制作のために使われた道具の一部はニューヨークのノグチ美術館に保存されており、西洋と日本の道具が入り混じったコレクションは、日本人の父とアメリカ人の母のもとに生まれたノグチの東西ハイブリッドな個性をうかがうことができる。
本展では、ニューヨークのノグチ美術館に保存されている道具や映像などを含む約60点を展示する予定。ノグチが実際に使用した「道具」を通して、作品の制作過程において「素材」と「技術」がいかに密接に関係していたのかを紐解いていく。
西洋式の木工具や、晩年のノグチが取り組んだ花崗岩や玄武岩などを用いた彫刻のための石工道具のほか、ノグチの代表作とも言える「あかり」の製作映像と道具も出品。さらに、ニューヨークのイサム・ノグチ財団・庭園美術館でシニアキュレーターを務めるデイキン・ハートを迎える講演会も予定されており、ノグチと道具、そしてその制作の秘密を知る機会をお見逃しなく。