2025年の大阪関西国際芸術祭に向けて。「Study:大阪関西国際芸術祭 2023」が来年開催

2025年の開催を計画している「大阪関西国際芸術祭」。同芸術祭の2025年に向けた展望と、今年に引き続き来年もその前段として開催される「Study:大阪関西国際芸術祭 2023」についての記者発表が行われた。

「Study:大阪関西国際芸術祭 2022」展示風景より、淀川テクニック《真庭のシシ》

 2025年、日本国際博覧会(大阪・関西万博)と同時開催を計画している「大阪関西国際芸術祭」。今年1〜2月にはその実現可能性を「スタディ」するための芸術祭として「Study:大阪関西国際芸術祭」が開催された。来年1月にはさらに会場を追加し「Study:大阪関西国際芸術祭 2023」が開催される。

 10月21日には同芸術祭の2025年に向けた展望と、来年開催される「Study:大阪関西国際芸術祭 2023」についての記者発表が行われた。

「Study:大阪関西国際芸術祭」(2022)のグランフロント大阪での展示風景より、鬼頭健吾《ghost sign》

 記者会見には大阪関西国際芸術祭を主催する株式会社アートローグ代表の鈴木大輔が登壇。アートのイベントや公的な支援を受けたプロジェクトが東京に集中している現状を鑑み、2025年に同芸術祭の開催に向けて動いていると語った。1970年の大阪万博の際に設立された万国博美術館が国立国際美術館の礎となったように、25年の万博と同時開催することで、大阪にアートを根づかせる基盤にしたいという。

「Study:大阪関西国際芸術祭」(2022)の船場エクセルビルでの展示風景より、釜ヶ崎芸術大学《10年、卒業しない》

 鈴木は、今年「Study:大阪関西国際芸術祭」を開催した成果についても説明。開催を機にアートを大阪の成長戦略として位置づける向きが官民に生まれており、現在は25年の芸術祭を大阪・関西万博の公式プログラム化を目指して調整しているとのことだ。

 来年1月28日〜2月13日に開催される「Study::大阪関西国際芸術祭2023」についても詳細が発表された。会場は前回のグランフロント大阪、船場エクセルビル、釜ヶ崎芸術大学、北浜の料亭「花外楼」、釜ヶ崎芸術大学を始めとする西成のあいりん地区に加え、新たに大阪府立中之島図書館などが加わる。

船場エクセルビル

 展示内容についても概要が公開された。グランフロント大阪ではNO ARCHITECTS + 林勇気がインスタレーションを展開。また葭村太一はグランフロント大阪の外にあるうめきた広場で作品を発表する。さらに広場にあるうめきたSHIPホールでは、丹原健翔がキュレーションする展覧会を開催する予定だ。

「Study:大阪関西国際芸術祭」(2022)のグランフロント大阪での展示風景より、奥中章人《INTER-WORLD/SPHERE: Cocooner》

 船場エクセルビルでは、エントランスから5階までを加須屋明子、パヴェウ・パフチャレク、藪本雄登の3人がキュレーション。さらに6階では釜ヶ崎芸術大学が展示を行う。

 大阪府立中之島図書館では沓名美和のキュレーションにより、沓名が提唱する「二次元派」の作家たちによる展示を実施。同じく中之島にあるホテル「THE BOLY OSAKA」では、四方幸子がキュレーションする展覧会が開催される。

 また、西成は釜ヶ崎芸術大学(ココルーム)やkioku手芸館たんすなどが会場となり、さらに西成では西尾美也が地域の女性と手がけるファッションブランド・NISHINARI YOSHIOがリサーチプロジェクトを実施。また、飛田新地では落合陽一がリサーチプロジェクトを行うという。

釜ヶ崎芸術大学(ココルーム)

 さらに会期中の2023年2月10日〜12日には、アートフェア「Study:大阪関西国際芸術祭/アートフェア 2023」がグランフロント大阪で開催される。地下のナレッジキャピタル コングレコンベンションセンターを会場として、前回よりも規模を拡大。NFTやヴィンテージ家具なども出品されるという。

 また、厳選された料亭やレストランとアーティストがコラボレーションする企画も実施。北浜にある花外楼やルポンドシエルが参加する予定だ。

花外楼

編集部

Exhibition Ranking