ヘルツォーク& ド・ムーロン設計によるプラダ青山店の5階を会場に、プラダ財団が後援するアーティスト、サイモン・フジワラによる個展「Who the Bær」が開催される。会期は10月15日〜2023年1月30日。
サイモン・フジワラは1982年ロンドン生まれ、ベルリン在住のアーティスト。その作品は観光地や歴史的人物、セレブリティ、エデュテインメント、そして新資本主義を下支えする人間の欲求を個人的視点から考察したものであり、人間が消費する文化の空想と現実味を同時に追及している。2010年のフリーズ・アートフェアで、優れた若手現代美術家に贈られる「カルティエ・アワード」を受賞。12年にはテート・セントアイヴスの全館を使った大規模回顧展「Simon Fujiwara : Since 1982」を開催しており、日本国内でも、太宰府天満宮で行われたアートプログラム「サイモン・フジワラ 岩について考える」(2014)のほか、「Parasophia : 京都国際現代芸術2015」「岡山芸術交流 2016」などの芸術祭に参加している。
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本展のメインとなる「Who the Bær」は、おとぎ話や空想文学、アニメ、テーマパークの世界観をインスピレーションにサイモン・フジワラが2020年のコロナ禍での最初のロックダウン中で生み出したマンガのキャラクター。しっかりとした人格や性格を持たず、特定のアイデンティティもジェンダーもセクシュアリティもなく、明確なデザインさえもないという。
「ハイパー資本主義的な娯楽文化のどんどん意味をなさなくなっている世界に対する子供らしいダダイスム的なリアクション」として創作されたWhoは、自分がイメージであることだけは理解しており、イメージの「Who ニバース(Whoの世界)」を巡りながら自分は何者なのかを探る存在だ。
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Who the Bærは2021年、ミラノのプラダ財団での初の大型展示を皮切りに、ロッテルダムのヴィッテ・デ・ヴィット現代美術センターでも展示を開催。ミラノやニューヨーク、ロンドン、東京などでグローバルなビルボードキャンペーンにも登場している。
本展は、ミラノのプラダ財団で初披露された展示を新しく構成したもので、新しいイラストやコラージュ、彫刻、アニメーションが登場し、Who the Bær の永遠に続く自分らしさを探す旅が紹介されるという。
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Photo by Andrea Rosetti