2018年にペロタン東京で開催された個展に続き、ダニエル・アーシャムの同会場では2回目となる個展「31st Century Still Lifes(31世紀の静物)」が、8月26日〜10月15日の会期で開催される。
本展では、3つの新作シリーズが発表。メインギャラリーでは、厚塗りの技法を用いた新作の静物画5点と彫刻2点が展示予定となっている。
近年、地質学的素材を用いて古代のアイコニックなモチーフを再構築することに力を注いできたアーシャム。例えば、新作絵画《Still Life with Bust of Apollo(アポロンの胸像のある静物)》は、アーティスト自身が制作したギリシャの神の彫刻を題材にした平面作品。画面のなかでは、ハーマンミラーの『A Way of Living』や、建築とインテリアデザインに関するジャンヌレのモノグラフなど、その関心を象徴する小説やカタログが積まれ、その上に鎮座するアポロンの像が描かれている。
新作彫刻としては、ギリシャ神話のヘルメスと、イタリアの貴族ジュリアーノ・デ・メディチをオマージュした2作が発表される。前者は、紀元前4世紀に制作されたギリシャの神の彫刻(ギリシャのオリンピア考古学博物館蔵)を再構築したもので、後者はより巨大なミケランジェロの彫刻(フィレンツェのサン・ロレンツォ教会蔵)の一部をモデルにして制作したものだ。
隣のギャラリーでは、アーシャムの代表シリーズ「fictional archaeology(フィクションとしての考古学)」から映画ポスター3点が展示される。『E.T. 』『バック・トゥ・ザ・フューチャー』『2001年宇宙の旅』の3作のポスターを、ハイドロストーン、ブルーカルサイト、クォーツクリスタルなどの地質学的素材で表現することで、当時それらの作品が持っていた熱量はよみがえらせるだろう。
なお会期の初日には、ペロタン東京のブックストアで購入したダニエル・アーシャムの書籍『Sketchbook』を対象に、作家によるサイン会も行われる。詳細はペロタンのInstagramで告知される。