フォンダシオン ルイ・ヴィトンが今秋フランス・パリにて「『モネとミッチェル』展─対話と回顧─」の開催を発表した。クロード・モネの世界最大のコレクションを誇るフランス、マルモッタン・モネ美術館と提携する。
印象派の巨匠、クロード・モネ(1840〜1926)の晩年の作品である《睡蓮》をはじめとする作品と、男性アーティストが多かったアメリカ抽象表現主義において、近年女性アーティストとしての再評価がなされているアメリカ人アーティスト、ジョアン・ミッチェル(1925〜1992)の作品。この類まれなアーティストである2人の作品の間に初めて、視覚、芸術、感受性、そして詩的な「対話」を⽣み出すことをテーマとした展覧会だ。
2人のアーティストは、彼らが活躍したそれぞれの時代のみならず、後世のペインターたちにも大きな影響を与えている。本展では、共通の風景に対するそれぞれの画家のユニークな反応が様々なかたちで再現されているという。
クロード・モネの一連の「睡蓮」は、1950年代のアメリカにおいて抽象化の先駆けとしてとらえられるようになる。いっぽうのジョアン・ミッチェルは、モネが1878年〜1881年にかけて暮らした邸宅に近いパリ郊外のヴェトゥイユに移り住んでいた。モネとミッチェルは、セーヌ河畔という同じ⾵景を前にして、モネは「感覚」、ミッチェルは「感情」と、似た単語から定義する絵画的アプローチを展開しており、パリ地⽅の⾃然からインスピレーションを受けたモネとミッチェルの⾔語を⽤いないエネルギッシュなキャンバスは、相互の親和性を反映しているといえる。
本展は両者の代表的な作品約60点を通じて、魅惑的で没⼊感のある旅を楽しむような構成。額縁なしで展⽰されることがほとんどないモネの36点の絵画と、ジョアン・ミッチェルの24点の絵画が対をなすという。
またこの「モネ - ミッチェル」展と並⾏し、「ジョアン・ミッチェル回顧展」もフォンダシオン ルイ・ヴィトンで開催される。本展は、20世紀後半にもっとも影響⼒のあったアーティストのひとりとされるミッチェルの⽣涯と作品を検証するもので、約1000平⽅メートルの会場に約50点の作品が展示される。近代の偉⼤な巨匠たちから影響を受けたミッチェルの⽣き⽣きとした⾝振りの作品を、いまあらためて振り返りたい。