フィン・ユール(1912〜1989)をはじめとするデンマークのデザイナーによる椅子を紹介する展覧会「フィン・ユールとデンマークの椅子」が、東京都美術館で開催される。会期は2022年7月23日~10月9日。
デザイン大国として知られる北欧の国デンマーク。同国のデザイナーのなかでも、フィン・ユールは、ひときわ美しい家具をデザインしたことで知られている。優雅な曲線を特徴とするその椅子は、「彫刻のような椅子」とも評され、身体を抽象化したようなやわらなかフォルムが特徴だ。
同展では、フィン・ユールデザインの魅力に迫るとともに、デンマークの家具デザインの歴史と変遷をたどり、その豊かな作例が誕生した背景を探る試みだ。とくにフィン・ユールについては、椅子のデザインや、理想の空間を具現した自邸の設計、住居や店舗、オフィスのインテリアデザイン、そしてアイデアを伝えるために描いた水彩画までを紹介することで、その幅広い仕事を伝える。
あらゆる日常を支える椅子という身近な家具にあらためて光を当てる展覧会。コロナ禍における新たな生活のヒントを見つける機会にもなりそうだ。