「彫刻のような椅子」を筆頭にデンマーク・デザインの歴史と背景をたどる。「フィン・ユールとデンマークの椅子」が東京都美術館で開催

「彫刻のような椅子」と称される椅子をはじめ、美しい家具をデザインしたことで知られるフィン・ユール。その仕事とともに、デンマーク・デザインの歴史と背景を紹介する展覧会「フィン・ユールとデンマークの椅子」が、東京都美術館で開催される。

フィン・ユール イージーチェア No.45 1945年制作 織田コレクション

 フィン・ユール(1912〜1989)をはじめとするデンマークのデザイナーによる椅子を紹介する展覧会「フィン・ユールとデンマークの椅子」が、東京都美術館で開催される。会期は2022年7月23日~10月9日。

 デザイン大国として知られる北欧の国デンマーク。同国のデザイナーのなかでも、フィン・ユールは、ひときわ美しい家具をデザインしたことで知られている。優雅な曲線を特徴とするその椅子は、「彫刻のような椅子」とも評され、身体を抽象化したようなやわらなかフォルムが特徴だ。

フィン・ユール イージーチェア プロトタイプ 1948年制作 織田コレクション

 同展では、フィン・ユールデザインの魅力に迫るとともに、デンマークの家具デザインの歴史と変遷をたどり、その豊かな作例が誕生した背景を探る試みだ。とくにフィン・ユールについては、椅子のデザインや、理想の空間を具現した自邸の設計、住居や店舗、オフィスのインテリアデザイン、そしてアイデアを伝えるために描いた水彩画までを紹介することで、その幅広い仕事を伝える。

フィン・ユール ボーンチェア No.44 1944年制作 織田コレクション

 あらゆる日常を支える椅子という身近な家具にあらためて光を当てる展覧会。コロナ禍における新たな生活のヒントを見つける機会にもなりそうだ。

編集部

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