60年以上にわたる制作の軌跡。「GENKYO 横尾忠則 原郷から幻境へ、そして現況は?」(東京都現代美術館)
横尾忠則の大規模な展覧会「GENKYO 横尾忠則 原郷から幻境へ、そして現況は?」が、東京都現代美術館で10月17日に閉幕する。
1960年代初頭からグラフィック・デザイナーやイラストレーターとして活動を始め、80年代の「画家宣言」によって画家・芸術家へとその領域を移した横尾。本展では「画家宣言」以降を中心に、500点以上の作品でその芸術の全貌を見ることができる。
注目したいのは、横尾が滝の絵を描くために収集した1万枚以上の絵はがきコレクションを使った《滝のインスタレーション》(2019-21)。また、様々なイメージのコラージュや美術史の参照といった手法の原点をたどるほか、代表作「Y字路」シリーズ、コロナ以降に描かれた近作・新作も展示する。時代に反応しながら意欲的に制作を続ける横尾の「GENKYO」を堪能してほしい。
会期:2021年7月17日~10月17日
会場:東京都現代美術館
住所:東京都江東区三好4-1-1
電話番号:03-5777-8600
開館時間:10:00~18:00(展示室入場は閉館30分前まで)
料金:一般 2000円 / 65歳以上・大学生・専門学校生 1300円 / 中学・高校生 800円 / 小学生以下無料(予約優先あり。詳細は展覧会ウェブサイトへ)
珠玉のコレクションを見る。「イスラエル博物館所蔵 印象派・光の系譜―モネ、ルノワール、ゴッホ、ゴーガン」(三菱一号館美術館)
イスラエル博物館が誇る珠玉の印象派コレクションから、約70点の作品を厳選して紹介する「イスラエル博物館所蔵 印象派・光の系譜―モネ、ルノワール、ゴッホ、ゴーガン」展が、三菱一号館美術館で10月15日に開幕した。
出品作の大半が日本初公開となる本展。「水の風景と反映」「自然と人のいる風景」「都市の情景」「人物と静物」の4章構成で、印象派に先駆けたバルビゾン派のコロー、ドービニー、そしてモネ、ルノワール、シスレー、ピサロ、そしてポスト印象派のセザンヌ、ファン・ゴッホ、ゴーガン、ナビ派のボナールやヴェイユールを紹介する。
本展では、モネの「当たり年」とも評される1907年の《睡蓮の池》と、同年にほぼ同じ構図で制作された2点の《睡蓮》も展示。時代と手法や画題の変化を追いながら、印象派の「光の系譜」をたどる。
会期:2021年10月15日~2022年1月16日
会場:三菱一号館美術館
住所:東京都千代田区丸の内2-6-2
電話番号:050-5541-8600
開館時間:10:00~18:00(祝日を除く金、会期最終週平日、第2水~21:00) ※入館は閉館の30分前まで
休館日:月、12月31日、2022年1月1日 ※ただし、10月25日、11月29日、12月27日、1月3日、10日は開館
料金:一般 1900円 / 大学・高校生 1000円 / 中学生以下無料
複数形で語るフェミニズム。「フェミニズムズ」「ぎこちない会話への対応策―第三波フェミニズムの視点で」(金沢21世紀美術館)
金沢21世紀美術館では、10月16日に特別展「フェミニズムズ」「ぎこちない会話への対応策―第三波フェミニズムの視点で」がスタートする。
1990年代以降にメディアを通して広がり、日本でも「ガール・ムーブメント」の様相を呈したフェミニズム。現在はインターネットを介して、女性だけでなく、社会に違和感を持つあらゆる人たちの力になろうとしている。本展ではそんな表現の一端を、青木千絵、碓井ゆい、遠藤麻衣、遠藤麻衣×百瀬文、風間サチコ、木村了子、西山美なコ、森栄喜、ユゥキユキの作品から紹介する。
また「ぎこちない会話への対応策―第三波フェミニズムの視点で」ではアーティストの長島有里枝がゲストキュレーターを務め、90年代以降に活動を始めた10作家の作品について、フェミニズムの視点から新たな解釈可能性を見出す。
会期:2021年10月16日~2022年3月13日
会場:金沢21世紀美術館
住所:石川県金沢市広坂1-2-1
電話番号:076-220-2800
開館時間:10:00~18:00(金土~20:00)
休館日:月(ただし11月1日、22日、2022年1月3日、10日は開場)、11月24日、12月29日~1月1日、4日、11日
料金(2展共通券):一般 1200円 / 65歳以上 1000円 / 大学生 800円 / 小学・中学・高校生 400円