バンクシーの活動の主戦場を再現。「バンクシーって誰?展」(寺田倉庫G1ビル)
ストリートを中心に表現を続け、神出鬼没に世界各地でその足跡を残してきたバンクシー。その活動の軌跡を辿る「バンクシーって誰?展」が、寺田倉庫G1ビルで開幕した。
2018年、少女と赤い風船が描かれたバンクシーの作品《Girl With Balloon》がサザビーズのオークションで落札が告げられると同時に、作品が額に仕込まれたシュレッダーで切り刻まれた“事件”が発生した。瞬く間に世界中で報道され、大きな話題を呼んだ。日本では、19年にバンクシー作品と思われるネズミの絵が発見されることが大手メディアやSNSで拡散され、その認知度がさらに上がった。
本展では、世界各都市を巡回し人気を博した「ジ・アート・オブ・バンクシー展」の作品群を日本オリジナルの切り口で紹介。個人蔵のオリジナル作品の展示とともに、活動の主戦場である“ストリート”に焦点を当て、街並み再現展示で没入空間を体感できる。
会期:2021年08月21日〜12月05日
会場:寺田倉庫G1ビル
住所:東京都品川区東品川2-6-4
開館時間:11:00〜20:00 ※金、土、祝前日は21:00まで
休館日:10月5日、12日、19日
料金:公式サイトを参照
芥川賞作家の世界観を現代美術で演じる。「村田沙耶香のユートピア_〝正常〟の構造と暴力 ダイアローグ デヴィッド・シュリグリー ≡ 金氏徹平」(GYRE GALLERY)
芥川賞作家・村田沙耶香の世界観を、国際的に活躍するアーティストであるデヴィッド・シュリグリーと金氏徹平のふたりが表現した展覧会「村田沙耶香のユートピア_〝正常〟の構造と暴力 ダイアローグ デヴィッド・シュリグリー ≡ 金氏徹平」が、東京・表参道のGYRE GALLERYで開催されている。
本展では、村田『コンビニ人間』『消滅世界』『生命式』の3作品を題材に、シュリグリーと金氏が作品を制作。シュリグリーが小説を読んで描き下ろした複数の絵画作品や金氏による立体作品のほか、村田が学生時代に描き、本展で初公開となる油彩画4点とドローイング1点などが展示されている。
また展示室の壁には、村田の小説から抜粋された言葉がアクセントを与える。加えて、会場には村田による創作ノートも紹介されている。
会期:2021年8月20日〜10月17日
会場:GYRE GALLERY
住所:東京都渋谷区神宮前 5-10-1 GYRE3F
電話番号:03-3498-6990
休館日:GYREに準ずる
料金:無料
公立美術館では初個展。「山城知佳子 リフレーミング」(東京都写真美術館)
2000年代から映像・写真を主たるメディアとして、精力的に作家活動を進めてきた映像作家/美術家・山城知佳子。その公立美術館では初となる個展「山城知佳子 リフレーミング」が、東京都写真美術館でスタートした。
本展では、初公開となる山城の最新作《リフレーミング》を、同館の収蔵作品を中心とした過去の代表作と組み合わせて紹介。ものごとを見ている枠組みを変え、別の枠組みで見直すことを指す「リフレーミング」をタイトルに冠した同作は、沖縄の海と山とをつなぐ寓話を創作したもの。過去と現在、地上と地下、山と海、人と人でないものとを切り結び、現代の風景に重ね合わせる物語を紡ぎ出す。
また近作の《土の人》では、山城はより俯瞰的な視点で沖縄の風景を見つめるとともに、沖縄の近現代史のなかで見過ごされてきた事象のなかにフィクションの可能性を見出し、新たなリサーチに取り組んでいる。たんに時系列に沿って作品の変遷をたどるのではなく、相互に共鳴する主題やモチーフの連なりを探る本展を会場で目撃してほしい。
会期:2021年8月17日~10月10日
会場:東京都写真美術館
住所:東京都目黒区三田1-13-3 恵比寿ガーデンプレイス内
電話番号:03-3280-0099
開館時間:10:00~18:00(入館は閉館30分前まで)
休館日:月(8月30日、9月20日は開館)、9月21日 ※最新情報は公式ウェブサイトにて要確認
料金:一般 700円 / 学生 560円 / 中高生・65歳以上 350円 ※オンラインによる日時指定予約を推奨。詳細は公式ウェブサイトへ