2019年に森美術館で開催され、66万人以上の入場者数を記録した「塩田千春展:魂がふるえる」が、上海の龍美術館(ロン・ミュージアム)で巡回開催される。会期は12月18日〜2022年3月6日。
森美術館で開催された「塩田千春展」は、塩田千春にとって過去最大規模の個展。副題の「魂がふるえる」には、言葉にならない感情によって震えている心の動きを、他者にも伝えたいという思いが込められている。
森美術館の展覧会では、大規模なインスタレーション作品を中心に、彫刻作品やパフォーマンス映像、写真、ドローイング、舞台芸術関連資料など、塩田の初期の作品から最新作までの25年間にわたる活動が網羅的に紹介された。
上海の巡回展は龍美術館と森美術館が共同企画したもので、森美術館館長・片岡真実がキュレーターを務める。龍美術館の広報班によると、今回の巡回展では森美術館と同じ作品を展示。展示空間にあわせて鑑賞導線を調整する予定だという。
「不在のなかの存在」を一貫して追求してきた塩田。本展は、塩田が問いかける、生きることの意味や人生の旅路、魂の機微を実感する機会となるだろう。
なお本展は、2019年から21年にかけて釜山市立美術館(韓国)、クイーンズランド・アート・ギャラリー/ブリスベン近代美術館(オーストラリア)、ヌサントラ近現代美術館(インドネシア)、台北市立美術館(台湾)への巡回も予定されていたが、新型コロナウイルスの影響でオーストラリアとインドネシアでの展示は延期され、新たな会期はまだ未定だ。