20世紀を代表する画家のひとり、アンリ・マティス(1869~1954)の展覧会「マティス 自由なフォルム」が、東京・六本木の国立新美術館で開催される。会期は2021年9月15日~12月13日。
マティスは、大胆な色彩表現を特徴とするフォーヴィスムの中心人物として20世紀初頭のパリで頭角を現した。人生の後半を過ごしたというニースでは、アトリエで様々なモデルやオブジェを精力的に描くいっぽうで、色が塗られた紙をハサミで切り取り、それを紙に貼り付ける技法「切り紙絵」に取り組んだ。
本展は、フランスのニース市マティス美術館の所蔵作品を中心に、切り紙絵に焦点を当てながら、絵画や彫刻、素描、版画、テキスタイルなどの作品や、マティス旧蔵のオブジェなどを紹介するもの。マティスの切り紙絵が日本でまとめて展示されることはきわめて稀で、本展は貴重な機会となる。
なかでも見どころは、同館が所蔵する切り紙絵の大作《花と果実》(1952~53)。同作は、本展のためにフランスでの修復を経て日本初公開される必見の作品だ。また本展では、マティスが最晩年にその建設に取り組んだ芸術家人生の集大成ともいえるヴァンスのロザリオ礼拝堂にも着目。建築から室内装飾、祭服に至るまでマティスの芸術を一望できる充実のラインナップとなる。