設立15周年を迎えるライゾマティクス。東京都現代美術館で大規模個展を開催

東京都現代美術館で、人とテクノロジーの関係を探求してきたrhizomatiks(ライゾマティクス)の個展「ライゾマティクス_マルティプレックス」が開催される。会期は2021年3月20日〜6月20日。

Daito Manabe + Yusuke Tomoto + 2bit chains 2016 Exhibition view : "GLOBALE: New Sensorium - Exiting from Failures of Modernization" [参考図版] Courtesy of ZKM | Karlsruhe Photo by Tobias Wootton and Jonas Zilius

 2021年に設立15周年を迎えるrhizomatiks(ライゾマティクス)の個展「ライゾマティクス_マルティプレックス」が、東京都現代美術館で開催される。会期は2021年3月20日〜6月20日。

 設立以来、つねに人とテクノロジーの関係を探求してきたライゾマティクス(以下、ライゾマ)。ハードとソフトの開発からオペレーションにいたるまでを、チームが一貫して取り組むフルスタック集団であり、アーティスト、プログラマー、研究者などがそのメンバー。これまでにビョーク、スクエアプッシャー、Perfumeといった世界的に活躍するアーティストや、狂言師・野村萬斎、各分野の研究者らとのコラボレーションを実施してきた。その、多様な視覚化や問題提起型のプロジェクトによって、技術と表現の新たな可能性を追求している。

野村萬斎×真鍋大度 FORM 2017 ©Hiroyuki Takahashi / NEP [参考図版]

 本展は、ライゾマの美術館における初の大規模個展。ライゾマがこれまでに展開してきた領域横断的なクリエイションを展望するとともに、「現在」とクリティカルにシンクロする新作プロジェクトが展示される。

坂本龍一+真鍋大度 センシング・ストリームズ-不可視、不可聴 2014 札幌国際芸術祭2014での展示風景 撮影=木奥惠三 提供=札幌国際芸術祭実行委員会

 会場では、変化しやすく不確実な現代社会をとらえ、翻訳共有して可視化するインスタレーションを提示。また、ダンスカンパニー・ELEVENPLAYやミュージシャン・Perfumeとのコラボレーションなど、ビジュアルデザインとプログラミングによって生成される身体パフォーマンスをメディアに変容させ、未知の身体を創出してきた活動を振り返る。

Perfume Reframe 2019 2019 撮影=上山陽介

 また、新型コロナウイルス緊急事態宣言以前よりライゾマが取り組んできた《Staying TOKYO》や、リアル空間と同じ音や距離感覚の再認識をもたらす《Social Distancing Communication Platform》等のソーシャル・プラットフォームも紹介される。

ライゾマティクス Staying TOKYO 2020 Online event by Rhizomatiks

 さらに、ハードウェアの制御とプログラム、ロボットを用いた空間的な新作など、オンラインだけでもオフラインだけでも成立しえない、バーチャルとリアルの領域を往来するハイブリッドなインスタレーションも構築。

 こうした新作やアーカイブを通じて、SNSを通じて集められる個人データの問題、ボーダーという概念の考察、機械学習によって成立する観客参加作品など、メイキングやアーカイブ展示を含め、クリティカルな提言を試みるという。

Squarepusher Terminal Slam 2020

 デジタルなネットワーク社会の中にあって、新しい人間性の可能性と、未知の視覚ヴィジョンを追求するライゾマの魅力を伝える展覧会。ポスト・コロナの社会において、人間のコミュニケーションのあり方について、新しい可能性の問いかけを試みる。

ライゾマティクス Lucid Motion by Daito Manabe × Rhizomatiks Research 2019

編集部

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