横浜でふたりの偉大な建築家が出会う。村野藤吾展と槇文彦展が同時開催

横浜に所縁があり、日本を代表する建築家である村野藤吾と槇文彦。この2名の個展が同時開催される。会場は、横浜のBankART KAIKO(村野藤吾展)とBankART Temporary(槇文彦展)。会期は10月30日~12月27日。

M meets M 村野藤吾展 槇文彦展

 日本を代表する建築家、村野藤吾(1891~1984)と槇文彦(1928~)。大規模再開発が決まった横浜市では、村野建築の旧横浜市庁舎が惜しまれながら姿を消していき、いっぽう横浜の新しい発信基地として槇の新市庁舎がスタートした。2020年は、この新旧のリレーが展開されている。

 この機をとらえて、ちょうどひと世代の差がある2名の建築家が、横浜の街で出会う展覧会として「M meets M 村野藤吾展 槇文彦展」が開催される。会場は、横浜のBankART KAIKO(村野藤吾展)とBankART Temporary(槇文彦展)。会期は10月30日~12月27日。

 日比谷の日生劇場や箱根プリンスホテル(現ザ・プリンス箱根芦ノ湖)の設計者としても知られる村野。2005年には、広島の世界平和記念聖堂が戦後建築として初めて重要文化財に指定され、大きな注目を集めた。村野の数少ない庁舎建築作品のひとつとして位置づけられている旧横浜市庁舎は、横浜開港100周年事業として起案されたもの。近隣の歴史的建造物と調和する優れた景観を生み出すなど、横浜の中心市街地において大きな役割を果たしてきた。

 村野に続く世代にあたる槇は、ヒルサイドテラス、スパイラル、幕張メッセやニューヨークの4WTCなどの設計を手がけ、国内外で現代建築を牽引してきた建築家だ。今回の展示会場となる横浜でも、みなとみらい地区をはじめとする6大事業の都心部強化事業や、金沢地先埋立事業に深いかかわりを持つ。新市庁舎の設計は、横浜の街づくりに長年携わってきた槇の提案が評価されて実現したものである。

 本展では、2名の作品の模型から原図、写真、映像までを展示。また今回の会場は、道路を挟む「旧帝蚕倉庫」と「旧第一銀行」を復元・リノベーションしたアートスペースだ。2名の偉大な建築家と歴史的建造物のコラボレーションにも注目が集まる。

編集部

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