大英博物館、ルーヴル美術館などと並ぶ、世界有数の総合博物館であるベルリン国立博物館群。そのエジプト・コレクションを展覧する「古代エジプト展」が、江戸東京博物館で開催される。会期は11月21日~2021年4月4日。
ベルリン国立博物館群は、ヨーロッパ最大級の規模と質の高さで知られている。なかでもエジプト部門はアマルナ時代の優品を筆頭に、数千年にわたるエジプト史を網羅する世界有数のエジプト・コレクションを誇る。
本展では同コレクションから「天地創造の神話」をテーマに、約130点の名品を展示。「天地創造と神々の世界」「ファラオと宇宙の秩序」「死後の審判」の3章構成で、知られざる古代エジプトの神話の世界を解き明かしていく。
見どころとなるのは、プトレマイオス朝初期の「死者の書」を記したパピルスで、全長4メートルを超える《タレメチュエンバステトの「死者の書」》(前332~246頃)や、「死者の書」から抜粋されたテキストと図像によって美しい装飾がなされた《タイレトカプの人形木棺(内棺)》(前746~525頃)など。これらを含め100点以上が日本初公開となる。
そのほかにも本展では、神々の姿や、神々がつくった森羅万象を表す像に加え、人間社会のリーダーであり「善き神」であったファラオにまつわる出土品を紹介。未完成ではあるものの、アマルナ時代後期に年代づけられる最高傑作のひとつ《ネフェルティティ王妃あるいは王女の頭部》(前1351~1334頃)なども見ることができる。
貴重な出土品とともに、アニメーションも駆使しながら古代エジプトの神話世界をひもとく本展。なお東京展の後は、京都市京セラ美術館(2021年4月17日~6月27日)、静岡県立美術館(7月10日~9月5日)、東京富士美術館(9月19日~12月5日)への巡回が決定している。