村上隆と夭折のアーティスト、ミシェル・マジェルスの関係性を探る展覧会がベルリンで開催

絵画とデジタルメディアを組み合わせることで知られているルクセンブルク出身のアーティスト、ミシェル・マジェルスと村上隆との関係性を探る展覧会「Takashi Murakami:Michel Majerus Superflat」が、ベルリンのミシェル・マジェルス・エステートで開催される。会期は9月12日〜2022年2月26日。

展示風景より(C) Michel Majerus Estate, 2020, courtesy neugerriemschneider, Berlin(C) 2019-2020 Takashi Murakami/Kaikai Kiki Co., Ltd. All Rights Reserved. (C)Fujiko-Pro. Courtesy of the artist studio and PERROTINPhoto by Jens Ziehe

 絵画とデジタルメディアを組み合わせることで知られており、2002年に飛行機事故で亡くなったルクセンブルク出身のアーティスト、ミシェル・マジェルス。そのマジェルスと村上隆との関係性を探る展覧会「Takashi Murakami:Michel Majerus Superflat」が、9月12日よりベルリンのミシェル・マジェルス・エステートで開催される。

 マジェルスと村上は、いずれも1990年代半ばから活躍し始めたアーティスト。村上が日本のアニメ、第二次世界大戦後のイメージ、日本の美術史の典拠を制作テーマにしてきたのに対し、マジェルスはスニーカー、コンピューターフォント、会社のロゴ、電子音楽のアルバム・アートといった90年代の象徴を駆使し、資本主義的リアリズムの影響を受けていたとされている。

展示風景より
(C) Michel Majerus Estate, 2020, courtesy neugerriemschneider, Berlin
(C) 2019-2020 Takashi Murakami/Kaikai Kiki Co., Ltd. All Rights Reserved. (C)Fujiko-Pro. Courtesy of the artist studio and PERROTIN
Photo by Jens Ziehe

 村上は数年前にマジェルスの作品を発見し、そのストリートやコンピューター・カルチャーに対する扱いに影響を受けたという。本展では、村上が3年間をかけて取り組んだ作品を展示。マジェルスの作品について、村上はこう評価している。「彼は80年代後半の文化、ゲーム・カルチャー、日本のポップカルチャーなど、あらゆるものを作品の表面にミックスした」。

 展覧会のキュレーションは、昨年村上の個展「MURAKAMI vs MURAKAMI」を開催した香港のアートセンター・大館(タイクン)の館長であるトビアス・バーガーが担当。本展について、バーガーは声明文で次のように述べている。

 「村上がマジェルスに魅了されるのは、村上と同様、彼が世界のポップ・カルチャーに独特の距離感を持ってフィルターをかけ、戦後世代のドイツ美術を定義するような、描写の批判的なねじれを楽しんだからだ。この批判的な距離感は、世界の裏側でありながら、同じ戦後世代から生まれた村上隆の作品にも見ることができる」。

編集部

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