原美術館で最後の展覧会。「光―呼吸 時をすくう5人」展が開催へ

2021年1月での閉館を予定している原美術館が、その最後の展覧会である「光―呼吸 時をすくう5人」展を9月19日にスタートさせる。本展では、今井智己、城戸保、佐藤時啓の写真作品などに加え、同館のコレクションから佐藤雅晴のアニメーションとリー・キットのインスタレーションが展示される。会期は2021年1月11日まで。

佐藤時啓 光-呼吸 2020 ピグメントプリント (C) Tokihiro Sato

 建物の老朽化に伴い2021年1月での閉館を予定している原美術館。その最後の展覧会である「光―呼吸 時をすくう5人」展が、9月19日より開催される。

 新型コロナウイルス感染症が世界中で猛威を振るうなか、日々のささやかな出来事や感情を記憶する間もなく2020年が過ぎ去ってしまう。こうした慌ただしさにおいて、視界から外れるものに着目して心に留め置くことはできないか、という想いから本展は企画された。

佐藤雅晴 東京尾行 2015-2016 12チャンネルビデオ © Masaharu Sato
リー・キット Flowers 2018 プロジェクターの光、段ボールにアクリル、エマルジョン塗料、インクジェットインク、鉛筆 © Lee Kit Photo by Shigeru Muto

 本展では、同館のコレクションから昨年逝去した佐藤雅晴のアニメーションと、18年に同館で個展を行ったリー・キットのインスタレーションに加え、今井智己、城戸保、佐藤時啓による写真などの作品が展示される。

今井智己 Semicircle Law #42 2018.9.11 / 33km 2020 26.9x37.4cm Cプリント © Tomoki Imai
城戸保 光と蜜柑 2019 Cプリント © TamotsuKido

 先行きが不透明ななかでも自身の立ち位置から社会を省察し、見る人の心に深く語りかける5人のアーティスト。彼らの作品を通し、意識されぬまま過ぎ去る時間や、見過ごされてしまいそうな光景を掬う・救うことで、2020年の出来事を心に刻む。

 21年1月11日の会期終了をもって閉館する原美術館。その最後の展覧会を記憶に刻みたい。

編集部

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