2020.2.6

草間彌生美術館で初のグループ展。「ゼロ」にフォーカス

東京・新宿の草間彌生美術館で、開館以来初となるグループ展「ZERO IS INFINITY 『ゼロ』と草間彌生」が開催される。会期は3月5日〜5月31日。

リチャード・カステラーニ画廊(ニューヨーク)での個展「草間のピープ・ショー」(別名「エンドレス・ラヴ・ショー」)にて、六角形のミラールームと草間 1966 ※参考画像 (C)YAYOI KUSAMA
前へ
次へ

 2017年10月の開館以来、草間彌生作品のみを展示してきた草間彌生美術館が、初となるグループ展「ZERO IS INFINITY 『ゼロ』と草間彌生」を開催する。会期は3月5日〜5月31日。

草間彌生美術館 1階エントランス Photo by Shintaro Ono (Nippon Design Center, Inc.)

 今回、草間と共演するのは「ゼロ」のアーティストたち。「ゼロ」は、1958年にハインツ・マックとオットー・ピーネによってデュッセルドルフで起こったアーティスト・ネットワーク。「戦後芸術をゼロにリセットすること」を理念に掲げ、大戦によって分断されたヨーロッパの前衛美術家たちの協働・連帯を促す原動力となった。

 1960年代にニューヨークで活動していた草間は、この「ゼロ」に関連する展覧会に複数回参加。ヨーロッパでも注目を集めた。

 「ゼロ」のアーティストたちと草間の表現に類似するのは、ひとつのモチーフの反復や、モノクロームの追求といった点だ。本展では、「ゼロ」の作品や運動を、草間の作品や当時の映像・資料とともに紹介することで、戦後、新たな芸術の持つ可能性を示そうとした両者の軌跡をたどる。

《ナルシスの庭》と草間、第33回ヴェネチア・ビエンナーレにて 1966 ※参考画像 (C) YAYOI KUSAMA