高見澤峻介 個展「Screening Organon」

「発電」をメディアに制作を行うアーティスト、高見澤峻介の個展が開催。本展はアーティスト・布施琳太郎のキュレーションのもと、若手作家が抱く「リアリズム」が今日の社会にどのような有効性を持ち得るのかを検証する企画シリーズの最終展となる。

　高見澤は1993年山梨生まれ。2016年東京藝術大学美術学部先端芸術表現科卒業、19年同大学大学院映像研究科メディア映像専攻修了。発電そのものを表現のメディアとする活動を中心に、電力と映像の実在性を明らかにしてきた。

　これまでに発表した《Specter》は、コンセントにプラグを刺さず、どのような環境でもデジタルイメージを再生可能にさせた作品。ディスプレイのバックライトをアルコールランプや蝋燭の光で代用しながら、そこで発生する熱と氷水の間にペルチェ素子（温度差によって電圧を生じさせる電子部品）を挟み込むことで電気を発生させた。

　本展は「上映器官」と題し、器官のように自律する高見澤の特異な表現を紹介。「発電」をより広範なインフラへと介入・接続させた作品が展示される。