マリーナ・アブラモヴィッチは1946年ユーゴスラビア生まれ、現在はニューヨークを拠点に活動。ときに自らの身体を過酷な状況に置き、身体と精神の極限を追い求めながら観客との新たな関係を模索するパフォーマンスのほか、インスタレーションやビデオ作品、音、写真を用いた作品を発表してきた。
そんなアブラモヴィッチの展覧会が、現代美術センターCCA北九州 CCAギャラリーで開催されている。会期は12月6日まで。
CCA北九州は97年の創設当初からアブラモヴィッチと対話を重ね、アーティストブックの制作や、2001年から10年以上続いたコンファレンス・シリーズ「Bridge the Gap?」など、数々のプロジェクトを行ってきた。
本展で展示されるのは、98年にアブラモヴィッチがCCA北九州に滞在した際に制作した《ハント》。同作は複数のビデオとサウンドからなる、ある特別な身体的・精神的状況についてのインスタレーション作品だ。大きなプロジェクションには音楽にあわせて踊る男性の身体が映し出され、そのほかの小さいモニターには顔の前に動物のかたちの紙を掲げた人物の頭部が写っている。これらは、同年に開催されたリサーチプログラムの受講生が演じるもの。
70年代に本格的な活動を始め、パフォーマンスを美術作品として確立したアーティストのひとりとして知られるアブラモヴィッチ。日本でその作品を見ることのできる本展に、足を運んでみてはいかがだろうか。