全長200メートルを超える「反・戦争・絵画」を目撃せよ。岡本信治郎を中心とした10人の画家による「地球・爆」展が愛知県美術館で開催
日本の1960年代のポップ・アートを代表する画家・岡本信治郎を中心とした絵画プロジェクト「地球・爆」。戦争をテーマとした同プロジェクトによる、200メートルを超える絵画連作を一挙公開する展覧会「地球・爆―10人の画家による大共作展」が、愛知県美術館で開催される。会期は11月1日~12月15日。
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「地球・爆」とは、日本の1960年代のポップ・アートを代表する画家・岡本信治郎をはじめ、伊坂義夫、市川義一、大坪美穂、小堀令子、清水洋子、白井美穂(みお)、松本旻(あきら)、山口啓介、王舒野(ワン・シュウイエ)の10人の画家による絵画プロジェクト。その完成後初となる展覧会「地球・爆―10人の画家による大共作展」が、愛知県美術館で開催される。会期は11月1日~12月15日。
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本プロジェクトは、2001年のアメリカ・同時多発テロ事件に呼応した岡本と伊坂の呼びかけを発端とするもの。メンバーで「共作」するというアイデアのもと07年から本画の制作を開始し、13年に完成した第1番は同年のあいちトリエンナーレで紹介された。本展では、11組・約150点のパネルで構成された、全長200メートルを超える連作の完成版を見ることができる。
リーダー的存在である最年長の岡本は1933年生まれ。45年に疎開先の郊外から東京大空襲を見て衝撃を受け、80年以降、その様子を絵画に表しはじめる。81年には戦後世代の伊坂とともに「少年戦記」シリーズを共作で発表し、2人は本プロジェクトで改めて「戦争」というテーマに向き合うこととなった。
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本プロジェクトに集まった10人の画家は作品のあり方について議論を重ね、それぞれのスタイルを活かしてひとつの絵巻物のように「地球・爆」の絵画を制作。「戦争」のイメージの数々は単彩による軽やかな線描で描かれ、そこには現実の深刻さをまだ知らない子供の目から見た飛行機や怪物への憧れ、そしてそれらがもたらした廃墟の風景と再生の希望的なビジョンも示される。
「20世紀の戦争が人類にもたらしたものとは何か」という問いに戦前・戦後の世代が向き合って誕生した「地球・爆」プロジェクト。本展で、その発足から約18年を経て完成した「反・戦争・絵画」を体験してほしい。
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